住宅屋根のカバー工法リフォーム

剥がれやひび割れなどがある屋根

お客様のご要望 

  • 今の屋根がひび割れが発生していて心配。
  • 今後もこの家で永く暮らしたいので手間がかからない方法でお願いしたい。

現場調査

お問い合わせ後に現場調査をいたしました。
建物の状況を見て、お見積もり内容などを判断させていただきました。

建物の状況

  • 築年数:15年前後
  • 屋根:ノンアスベストの平板スレート瓦
              大屋根、下屋根ともにひび割れが多数ありました。

ひび割れがある屋根

  • 外壁:塗装の色あせと外壁目地の亀裂がありました。

色あせと目地に亀裂のある外壁

  • ベランダ:床に剥がれがありました。

剥がれがあるベランダ床

調査後のご提案内容

①金属屋根材でのカバー工法

屋根に発生していたひび割れの原因が耐久性が弱い屋根材だった事です。
建築当時がアスベスト禁止になった時期で、使用されている屋根材がアスベスト含む屋根材からノンアスベスト屋根材に切り替わった商品のため実績の少ない屋根材でした。
築年数だけで言うと塗装メンテナンスが多いのですが、塗装ではひび割れは直らない上に、さらにはこれからもひび割れが増える可能性もあります。

カバー工法では無く葺き替えも可能でしたが予算との兼ね合いでカバー工法をご提案いたしました。

②外壁塗装

外壁が窯業系サイディングでした。
窯業系サイディングの外壁は、表面を塗装で保護することで耐久性を維持している外壁材なので、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
今回はその外壁に塗装劣化の目安となるチョーキング現象が発生していたので、外壁塗装をご提案しました。
また外壁以外の破風板、軒天井、雨どいの塗装とベランダのトップコートなども一緒にご提案いたしました。

③コーキング施工

外壁の目地部のコーキングにひび割れが発生していました。
ひび割れは雨漏りと壁材、下地材の劣化に繋がるので早めの対応が必要です。
コーキング材は10年程度の耐久性のものが多いので、塗装工事をする際には一緒にご検討することをおすすめしております。
最近では30年相当の耐久性の物も増えています。

④ベランダ塗装

ベランダは屋根と同様に雨漏りが起きやすいのですが、見えない箇所だからと放置されてしまっている場合がほとんどです。
塗装が剥がれてしまうと下地の劣化、雨漏りの原因となり不具合を起こしかねませんので、外壁の工事の際にはベランダのトップコート塗装もご提案しています。

⑤仕様内容

屋根材 アイジー工業 ガルテクト(シェイドモスグリーン)
ルーフィング 田島ルーフィング タディスセルフ
外壁塗料 田島ルーフィング タディスセルフ
ベランダ防水 クリーンマイルドシリコン、UVプロテクトクリヤー

⑥概算内容

工事期間 約1か月程度
工事内容 仮設足場設置
一部屋根解体
屋根カバー工事(屋根材名:ガルテクト)
外壁塗装
雨どいの清掃
費用 屋根カバー一式 100㎡ 合計120万円程度
外装塗装一式 166㎡ 合計100万円程度
その他 安全対策費、諸経費、税金

※2022年の見積もり金額内容です。

工事の流れ

屋根カバー工法工事

剥がれやひび割れなどがある屋根

2006年以降に建築された建物なので、既存の屋根はアスベストが含まれていない屋根材でした。
2006年にアスベストの使用は禁止されているため、屋根材にアスベストが含まれていないことは良い事です。
しかし、使用禁止になった当初の製品には不具合のあるものがあり、施工から10年も経たずに剥がれやひび割れなどが報告された製品もありました。
このような屋根の場合は塗装メンテナンスが不可能なので、張替かカバー工法をおこないます。

  • ルーフィング施工

ルーフィング施工の様子

棟や雪止めなどの施工に干渉する箇所を解体した後に、ルーフィング施工をします。
カバー工法の標準仕様では防水性の高い粘着系ルーフィングを使用しているので、一般的な改質アスファルトルーフィングと比べて雨漏りリスクが減るほかに耐久性も高いです。
しかも今回のようなひび割れのあるスレート瓦屋根に対しては施工が容易なので、お客様にも職人とっても良いルーフィングです。

今回は、田島ルーフィングのタディスセルフで施工いたしました

  • 屋根の施工

施工後にシェイドモスグリーンになった屋根

屋根材は、アイジー工業のガルテクトで、色はシェイドモスグリーンを使用いたしました。
この屋根材はガルバリウム鋼板より高性能な高耐久ガルバ(SGL鋼板)を使用しているので、高耐久間違いなしです。

※こちらの動画を参照

外壁塗装工事

  • リア塗装

クリア塗装の様子

塗料はUVプロテクトクリヤーで中塗り、上塗りの2回塗り(クリア塗装は下塗り不要)をいたしました。
上記画像で分かるように白っぽくなっていた外壁に、艶と色みが復活しています。

この建物は築年数が15年程度で、この当時の外壁材は一般的に塗装メンテナンスの目安は10〜20年程度です。
また外壁にチョーキング現象という劣化症状がありました。
この
外壁は窯業系サイディングという種類で、防火性が高くデザインも良いので現代の建築でも一番使用されている外壁材です。
しかし塗装で保護することで耐久性を維持しているので、塗装の劣化を放置すると外壁材の劣化、変形、雨漏りといった症状に繋がります。

そこで今回は屋根と一緒に外壁塗装まで行います。

1階部がデザイン性のある外壁材の場合は、単色のべた塗で外観を損ねてしまうのは避けたいところです。
そこで今回はクリア塗装をご提案いたしました。
クリア塗装は表面を保護するのはもちろん、色見、艶が出るので新築に近い外観に復活します。
色を変えたい時や劣化が進んでいる外壁材には不向きですが、メンテナンス重視の方にはおすすめです。

  • 既存コーキングの撤去

既存コーキング撤去中の様子

クリア塗装で注意したいことは、コーキングの手順です。

コーキングは密着性が悪いので、クリア塗装の場合はコーキングの上に塗装してしまうと剥離やひび割れが発生するリスクが高まります。
クリア塗装を行ってからコーキングを施工するのが正しい施工です。
※色付き塗装の場合は密着を良くする下塗り材を使用するので、コーキングは塗装の先施工でも後施工でも問題ありません。

その他のメンテナンス

施工後に掃除をしている様子

今回のような屋根や外壁工事を考えている方に、一緒に検討してほしいベランダと雨どいのメンテナンスです。
費用を下げるために見積もりに入れないこともできますが、これらが原因で劣化や雨漏りが起こる事もあります。

家の耐久性はバランスがとても重要です。
今回の塗装工事で10年安心ならばベランダやそれ以外の外装が10年安心であるべきで、その施工が費用もお客様の気持ちにも優しい工事と言えるでしょう。

メンテナンス中の様子

ビフォーアフター

今回ご提案したカバー工法とは?

カバー工法とは既存の屋根を残して、その上に新しい屋根を取り付ける工法です。

スレート瓦や金属屋根などの凹凸が少ない屋根に施工する事ができますが瓦屋根には不向きな工法です。
メリットとデメリットがあるので、それらを理解した上でのご検討をおすすめいたします。

カバー工法のメリット

①暮らしたまま工事が可能

既存屋根の上に新しい屋根を施工するので、普段通りに暮らしたまま工事が可能です。
工事中はベランダ内にゴミが落ちたり足場を設置するので、洗濯物だけは移動して頂きます。

②費用が安くなる

カバー工法は既存屋根を残すので、解体処分費が少なくなります。
張り替えの場合、
スレート屋根には2004年以前に製造された屋根材はアスベストが含まれた建材の可能性が高く、その場合は産廃処分費が高く3万円/㎥以上(2022年)なり、一般的な産廃に比べとても高額になります。
更に解体費用、運賃なども発生するため総額で数十万円の費用が必要になります。

③工期短縮

解体作業が不要になるので工期が短縮できます。
張り替えの場合、雨漏りの可能性が高くなるので十分な対策や天気を確認しての段取りなどが必要となります。
カバー工法の場合はそれらのリスクが少ないので、工事期間短縮に繋がります。

④断熱と遮熱

今回施工したガルテクトという屋根材には熱を伝えにくい断熱材と太陽熱を遮熱する塗装が施されています。
家の温熱環境は断熱材や窓の設備などで決まるので屋根だけでは改善しない事もありますが、無断熱住宅で夏場2階屋根が暑いといった事であれば期待する効果を感じる事もあるでしょう。

カバー工法のデメリット

①屋根が重くなる

屋根材の種類にもよりますが金属屋根材の重さは約5kg/㎡です。
既存の屋根が平板スレート瓦の場合の重さが約20kg/㎡なので現状より25%くらい重くなり、その荷重は建物の耐震性で不利に働きます。
耐震性が十分な建物であれば問題になる重さではありませんが、1981年6月1日以前の建造物の場合は耐震性に問題がある場合があるので慎重に判断する必要があります。
耐震性が低い場合は、重い屋根から軽い金属屋根に葺き替える事をおすすめいたします。

②解体費の持ち越し

どんな建物でもいずれは解体するときがくるので、残した箇所の解体費用が増えます。
屋根葺き替えではなく、建物全体を解体をする場合はまとめて解体するので全体単価は安くなる可能性はあります。
しかし、解体費用は年々高くなっております。
10年、20年後は今よりも高くなっている可能性もあるので、正直な所どちらがお得かは言い切れないです。

まとめ

カバー工法は葺き替えに比べるとお得にリフォームできますが、重くなるなどのデメリットもあります。

そこで大切なのは今後どのように暮らしたいのか?

家族に永く使ってもらいたいけど費用は抑えたいのであればカバー工法を検討して良いと思いますが、耐震性も考慮するのであれば葺き替えが良いかもしれません。
数年で手放すのであれば、簡易補修がベストかもしれません。

目先の問題解決も大切ですが、長期的に計画することで失敗のしないリフォームにより良い暮らしに繋がります。


今回の工事は嬉しい事に、お客様の知人が平井板金をおすすめしてくれたことがきっかけでした。
弊社は工事を通して地域と繋がり、多くの方により良い暮らしをしていただきたいと思っております。

ご不明点やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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