改修工事で経費削減のラップ工法

お客様のご要望 

今回は日本遮熱株式会社様(遮熱工事会社)から、工場の4,000㎡の折板屋根に遮熱鋼板ラップ工法工事のご依頼をいただきました。

  • 現場では、精密な商品を生産することから、製造ラインの室内を25℃設定にしている為、夏場の冷房代を抑えたい。
  • また、強い雨が降ると雨もりが発生してしまい商品や機械に影響が出ないか心配していました。

現場調査

屋根材は折板屋根で、幅が550幅と言う特殊な屋根材でした。
ラップ工法に対応している金具があるので、費用を押さえたうえで問題なく施工が可能と判断いたしました。

ベンチレーター(換気口)も7カ所ほど設置してあり、この部分は雨もりの原因になりやすく板金加工に注意が必要な部分です。
また、錆が発生していた為、ラップ工法以外の箇所もメンテナンスは必要です。

雨といは耐久性の高いステンレス製品の為、今回のお見積りには省いています。
耐久性の高い製品を使うことで初期投資はかかりますが、長い月日を考えるとお得になります。

上記を踏まえてお見積りを作成、雨どいは現状を使い、屋根の先部分を残し全てをラップ工法にてお見積りいたしました。
工事期間は2か月程度にて提案いたしました。

調査後のご提案内容

現調を踏まえたうえでお客様の悩みを整理

①電気代金の高騰による経費に影響。
②製品のプロセスでは温度が製品品質に影響を与える為、屋根の過度な熱の影響を心配している
③機械も高温になってしまう為、故障に繋がらないか心配している
④雨漏りは軽度ですが今後雨もりの範囲が広がらないか心配している。

全てラップ工法で解決!
その他のラップ工法で出来ない細かい箇所は板金や遮熱塗装でメンテナンスする事で防水性と耐久性も向上。

⑤仕様内容

屋根材 BMC H130 t0.6 550幅 遮熱鋼板
屋根板金 日鉄鋼板 ニスクカラーSGL
屋根金具 サカタ製作所 重ね葺きふき葺金具
ベンチレーター塗料 日本ペイント サーモアイ(遮熱塗料)

⑥概算内容

工事期間 約2か月程度
工事内容 仮設足場設置
屋根板金工事
一部屋根とベンチレーター塗装など
費用 都合により伏せさせていただきます。

工事の流れ

ご契約の後、再度屋根に上がらせてもらい寸法測りを行いました。

採寸後は折板成型を得意とする協力店メーカーに成型を依頼しました。
折版屋根は㎜単位で長さを発注できる為、現場で屋根を切る作業はほとんど発生しません。

4,000㎡の屋根の場合には、屋根成形までの制作期間が約50日程度かかります。
どんなに早く工事したくても、約1か月半は待つことになります。
通常の300㎡程度の折板屋根でしたら、納期10日程度です。

工場改修工事の一番の注意点は、荷揚げ作業になります。
工場の休みに合わせて日程を組み、建材屋さん、運送屋さん、レッカー屋さんのスケジュールを合わせてもらい、各社協力の元荷揚げを行います。

屋根材は大型車の積載量を考慮し3台に分けて搬入、限られた敷地の為レッカーは70トンと大きいサイズの車を用意しました。
これでも建物中央には届かず、屋根の一部は人力にて運ぶことになりました。

荷揚げも終わり、本題の屋根工事に入ります。
まずは折板屋根を固定する金具、タイトフレームの取り付けになります。
その後に折板の裏側に遮熱材をブチルテープで張り付け、折板屋根を張って行きます。

ビフォーアフター

ラップ工法と遮熱

工場の暑さの原因ですが、通常のガルバ鋼板の反射率は10パーセント程度な為、残りの熱は鋼板に吸収されていき室内側の躯体が過熱され、二次輻射として室内の室温上昇になっていきます。

そこで今回のラップ工法では遮熱材を使い屋根そのものの温度上昇を抑え、通気層がある事で既存の屋根の温度上昇を抑える構造になっております。
これによりラップ工法による屋根裏温度が20度下がった案件もありました。

折板屋根を施工後に屋根表面温度を測ると、外気30度程度の晴れの日には通常鋼板温度は50℃を超えますが、遮熱シートを裏側に張る事で約40℃程度に保もたれていました。
遮熱シートの効き目がいち早くわかる結果となりました。

遮熱シートを屋根裏に施工することで、輻射熱による熱の伝わりを抑え室内の室温上昇を抑えます。
これにより工場の作業性向上だけでなく光熱費も抑える事ができます。

ちなみにですが、今回のような工事以外でもラップ施工が可能です。

外壁をラップ工法で遮熱工事
スレート屋根にラップ工法で遮熱工事

まとめ

遮熱シートを屋根に付けるのは、施工が大変そうなイメージがあり、実際にどれほどのコストがかかるのかわからないと感じている人が多いのでしょうか、屋根改修工事と一緒に工事する事で大幅に費用を抑えることができます。
住宅でも大きな効果の出る遮熱シートです。

遮熱シートは誰でも簡単に購入できる商品ですが、金属との相性などプロに聞かないとわからない事が多数あります。
自分で施工をするのではなく、必ず専門施工業者などのプロに依頼しましょう。

遮熱シート含め、家のことでお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

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